うちの宿、ちょっと高くない?

数日前、カミさんがワタクシに投げかけた言葉です。

運営する民泊の値付けは、エアビーのダイナミックプライジングの機能を使って、AIに任せています。

AIは、近隣の類似宿の水準や季節、曜日といった需要はもちろんのこと、過去に滞在したゲストの満足度などを総合的に勘案して値付けをしています。

実際にどの宿泊日にいくらの値付けをしているか見ることはできますが、普段は全く見ていません。損益分岐点を最低価格に設定しているので見る必要もないんですよね。

で、オープンしたての頃はその最低価格にほぼ張り付いていたのですが、カミさんに高いと言われて確認してみると、最近は最低価格の日はまずなくなっていました。

最高価格を低く設定して下げたら?がカミさんの意見でしたが、ゲストのことを考えるとちょっと違うのでは?という直感が働き、ちょっと保留にしたんです。

ゲストのことを考えて値下げしない??
逆じゃないの?アタマおかしいの?
はい、ワタシもそう思います。
でも、直感が「そうじゃない」という。

そして偶然にも、たった数日で、
その直感とやらを見事に言語化した本に出逢うことになったのです。

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最近はカラダ使ったDIYをしていないこともあって、余った時間をYoutube見たり本を読んだりして自分の考え方を整理するのに費やしています。
そこで出逢ったこの一冊。

「機能」を売るな。
「意味」を売れ。

「機能」は相場に縛られるが、「意味」に相場などない。

「意味」を売る?なんのこっちゃ?はこの本を読んでもらうとして、「機能」の方はわかりやすい。賃貸住宅でいえば、広さ、築年数、立地(駅からの距離など)。ある駅の徒歩10分にある新築のワンルームが家賃10万なら、同じような立地で同じようなスペックなら15万とか20万とかはあり得ないでしょ?
「機能」には、相場がある。

では、民泊って宿泊の「機能」だけを提供しているのか?

コロナ前に行ったポルトガルで、いわゆる古城ホテルに泊まったことを思い出す。現役の修道院を一部改装したポルトガル国営ホテルで、今では予約困難。そこに泊まったことを強烈に覚えている。
泊まれたこと自体を誇りに思う。(下世話に言えば、ココ泊まった俺すげ〜!どやどや!って思うw)

これだよ、これ。
値段やアメニティだけならもっと便利な場所に安価なホテルがたくさんあるけど、多分そこに泊まっててもここまで思い出に残らない。

チェックアウトした後もそのゲストの生涯にわたり思い出に残り続ける。
さらに、時が経つほどに予約困難になってる。価値が上がり続けている。

これこそが私たちが目指すべきものではないのか?

「機能」だけに着目したら、田舎の民泊はコスパ悪い。メシも出ないし、全部セルフサービス。
「コスパ」で物差しを作ったら、損益分岐点をはるかに下回ってもフェアな価格にならないでしょう。コスパで大企業に勝てるわけないんです。

私たちの宿にどれだけの「意味」を込められるか。
言い換えれば、どれだけ価値を上げられるか。
チェックアウトした後もゲストに価値を提供し続けられるか。

なんとなく高い?を気にするより、価値を上げることを考えて実行していくのがより本質に近いかな、と思います。

今日はここまで!

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